bath
9日間の旅行、最終日、初めてのまち、バース。
不思議なことに今回のヨーロッパ旅は、最終日のこの日になってやっと、初めて旅行に来ている実感が湧いた。
ロンドンは何度も訪れていたし、コペンハーゲンも街をよく知るかすみんとシャーロットと過ごしていたから。
最後の日になって、2人ともまるっきり初めての地に訪れたから、
ものすごく新鮮な気持ちになれた。
節約のために、行きはコーチで。
バスから眺めるだけでロンドン周遊ツアーをしてもらってる気分。
少し郊外にでると
大好きで大好きで仕方ない景色、
ひろーーい緑が広がっていて
羊の群れがもくもくのんびりと過ごしている。
これを見たかったんだ。
広がる景色をみて確信した。
私の心が少なくとも年に一度イングランドを求める理由はこれだった。
大好きな美術館もマーケットももちろんだけど
日本とはまた違った、山の見えないひろーく広がる田園風景。
これが私がイングランドを愛する大きなひとつの理由だった!。
そんな風に考えていたら、だんだん石造りの家の連なりが増えて行って、いつの間にかバースに到着。
「バースが大好き」「バースには行っておいた方がいいよ」そんな言葉を短期留学の間に出会った友達やイギリスに住んでいる人の方からも沢山聞いたことがあったけど
本当にみんなが口を揃えてそう言うことが、街を見たその一瞬で理解することができた。
着いて早々その街の美しさに圧倒されながら、アビーと浴場博物館に向かって散歩。
浴場博物館も見どころたっぷりで面白かった…!
昔ストーンヘンジに行った時に、稚拙な私は「石!」という印象しか抱くことができなくて、今回も「風呂!」という印象だけで終わってしまうのかな、と少し不安だったけど、
ここには「風呂!」以上の歴史の面白さが詰まっていた。
今までバースの写真を頭に浮かべて、ローマ時代の風呂の様子を想像していたけれど、当時は建物の色が鮮やかで今とは全然違っていたんだって。
赤を使った鮮やかな配色。
当時の人は風呂だけじゃなく、その色やこの街で浴びられる太陽からパワーを得ていたんだろうなぁ。
(この日のバースも最高の天気だった。ロンドンは雨だったらしい。)
お風呂にもいろんな部屋があって、中にはサウナやトリートメントルームもあったらしい。
こーんな楽しい施設で贅沢なトリートメントを受けられるなんて…。
昔の昔のその昔から、ここで楽しい時間を過ごしていた人がいたんだと感じる、そのこと自体が本当に面白かった!。
ここで湧き出る源泉を一口いただいたけど、
それはなんとまあ、
てつ、さび、のあじ。
ごちそうさまでした。…。
それはさておき、浴場博物館は
ここで過ごしていた何年も前にいた人との繋がりを感じられる空間でした。
そのあとは、バースアビーへ。
こちらの建築、私の中のキリスト教建築ランキング、2位にランクイン!!
(1位はカンタベリー大聖堂)
広々としているけど、どこかこじんまりとした雰囲気。
天井やステンドグラスのデザインが現代的(?)な感じがして、
いつもこういうとこで抱く感想は「綺麗」だけど「かわいい」という言葉がむしろ似合うような、可愛らしいデザインになっていた。
優しい白の建物も、居心地良く感じさせてもらえるひとつの理由だった。
そして、たまたま建物に入った時のガイドをぺらぺらと読んでいたら、タワーのツアーをやっている!とのこと。階段を212段のぼるけどね、との注意書き付き。
でも、この旅の間、シャーロットのアパートメント、クロンボー城や街のタワーなどなど段や坂を登り続ける毎日だったから、212段なんてこわくなかった!
ということでツアーに参加した。
頭や腕がぶつかりそうになるくらい狭い部分もある階段をのぼって、アビーの上の方へ。
アビーの鐘が鳴る仕組みを教えてもらったり、天井にあけられた小さな穴からさっきまでいたアビーをのぞいたり。
このツアーでなければできなかったバースアビーの沢山の側面を見ることができた。
1番好きだったのは、アビーの大きな時計がある裏の部屋。裏側の中でどこの部分よりも狭い部屋で。
しかも他のツアーの参加者がパイプのようなものにぶつかりそうになってしまった時に、「さわると時間が変わっちゃうから、気をつけて!」と言われていて…。
時計の針を動かしてしまう可能性まである場所に自分はいたんだ…。
ひっそりと誰かの秘密基地を探検しているみたいでワクワクさせられた時間だった。
その後ももう少し階段をのぼりつづけて、頂上に到着!
一目で気に入ったバースの街を一望できるこの幸せ…
風は少し強かったけど、太陽と青空がきらきらしていたからそのおかげもあって街はさらに綺麗に見えた。
石造りの建物と、広がる緑。
初めてイングランドに足を踏み入れた時はオックスフォードに滞在していたのだけれど、バースアビーの上から見るそのイングランドらしい風景がその時のことを彷彿させた。
あの時があったからこそ、今周りにいる人と出会ったり、今通っている大学に入学したりしたんだなあと。
あの時が今の私を作りだした本当に大きなきっかけになっているんどなあと。
旅の最後の日に、風を浴びながらその頃のことを思い出した。
この国に出会えて、この国のことを大好きになれてよかった…。また絶対、何度も何度も遊びに来る。
そのあとはランチをいただいて、街の散策。
思っていた以上にあっという間に時間が過ぎていたから、まだまだバースには見たいところがたくさんあるなぁ、また来たいなぁとそこにいるうちから考えていた。
限られた時間の中で、最後にはここには絶対行かなきゃ!という場所を訪れた。
サーカスとロイヤルクレセント。
ロイヤルクレセントの大きさと美しさには、驚かされた。
日が落ち始めているという時間帯もあって、その綺麗さは旅で見たものの中でも格別だった。
広がっている原っぱではのんびりと寝っ転がっている人たちもいれば、元気に走り回っている犬もいた。
本当にきれいだった。
ロンドン以外の郊外を訪れるいくつかの候補はあったけど、今回はこのバースに来られて本当に良かった。
わたしにはまだまだ訪れたいと思う場所がたくさん残っているので、次にイングランドに来る機会があるときは、バースに泊まって滞在しよう、と思った。
日帰りでは足りない、もっともっとこの街を見て、知りたいと思うほど好きになれた街だった。
最後には、
後ろ5つの車両のドアが開かないという可笑しな電車に走って乗り込んで、パディントンへと向かったとさ。