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月〜金は普段住む国にいながらも観光客気分で、東京と京都を巡った。
今回の旅のお供は、6年前にオックスフォードで出会ったニコル。
会うのもなんと4年ぶり。もっと最近あった気がしていたけど、あれは大学入学前だった。
京都はやっぱり、美しい。
写真を見ればいつだってどんな建物がそこにあるかわかるけど、行ってみないと感じられない雰囲気が、そこにはある。
ここ最近、海外旅行が続いていたから他の国の建築に感銘を受けてばかりいたけれど、日本も捨てたもんじゃないなあ…。日本は災害の多い国だけれど、それでも何年もそこにある建物が沢山ある。
ヨーロッパと比べて、長くそこに在り続けることが難しいからこそ、尚更その素晴らしさを実感できる。
美しさを保つ為に努めている人、訪れた人を楽しませる為に笑顔いっぱいでいる人、そういう、街をより良い状態にしようとする人の力が目に見えるからこそ、京都はただ建物の存在以上にもっともっと美しく感じる。
心鎮まる大好きな三十三間堂。
今年も訪れたら、満開になっていた木も。椿も美しく咲き、散っていて、花に溢れるここの庭園にこられたことを本当に嬉しく思った。
イギリスから来たニコルも「日本には、花の付いている木が多いよね」と。
今までわざわざそういうふうには感じていなかったけど、今回の旅で意識してそれが事実だってよくわかった。
京都国立博物館は残念ながら、今は庭園のみ鑑賞可。
中も素敵だからニコルに見せたかった。残念。それでも庭園や博物館の建築そのものだけでも気に入ってもらえたからよかった。
旅行中は、美味しい朝ごはんの連続。
3日目の朝には『松之助』に。
ベーコンエッグ、パンケーキをいただいたけれど、ここではパイが1番有名。
プロデュースする平野顕子さんは留学先のアメリカで料理研究家と友情を深め、そこで修行も重ねたとか。
憧れるなあ、、ベイキングの留学…。
わたしもいつか、イギリスやアメリカで家庭のベイキングをしっかり学んでみたい。と、密かな夢…。
生き方そのものに憧れるステキな方で、東京にも店舗があるらしいので、また是非訪れてみようと思う。
旅行3日目、京都最終日は嵐山へ。
中心から少し外れるだけで山と木々に囲まれる京都。こういう立地だからこそ、「落ち着き」や「静けさ」を体感することができて、そういう感覚が建築や文化に反映、浸透されていくんだなあ。
いい写真はないのだけれど、今回は初めての美術館にも足を運んだ。
チューダーゴシックの建物そのものが美しくて、溜め息が出るほど。
新しく造られた館はコンクリート打ちっ放しの空間。そこにはモネやルノワールの優しい絵が。質素で、でも不思議と柔らかい空間。今回の旅行の中の空間ベスト1。
そして面白かったのが、モネを見た後に屋外に出てそこにある庭を見ると、その庭はまるでモネが描いたかのようなものだったこと。
植物の色や池にいる鯉の動き、庭の奥の方に見える小屋と羊のオブジェ。一つ一つの置いてあるものも、視界に入るものの構図も、全てが完璧で、自分自身が絵画の中に来てしまったように感じた。
もう少し暖かくなると色味はもっともっと、絵画のようになるんだろうなあ。
これからは京都にくる際に毎回訪れたいと思う場所に出会えた。
そしてここにこなきゃいけない理由も一つできた。4月半ばから7月半ばまでモリスの展示があるらしい。
大好きな空間で大好きなデザインをじっくり見られるなんて。楽しみすぎて今からもう待ちきれない。
京都を十分堪能し、東京に戻った。
東京初日は朝粥で1日のスタートを切った。ちなみに次の日はビルズでパンケーキの朝。旅の前半は天気があまり良くなかったけれど東京に移ってからは毎日晴天続き。ビルズは陽がよく入ってくるので、ものすごい居心地が良かった。
ニコルを美容室に連れて行ったり、行ってみたいと言っていたお店に連れていったり、普段東京で暮らしているだけじゃできない経験もできて面白かった。
街の雰囲気、そこにある店、いろんなことを気に入ってくれて案内しがいがあったし、日本を好きと言ってもらえて、そんな国に住んでいることを誇りに思ったりも、した。
最後はセントルザベーカリーへ。アルネヤコブセンのインテリア。ステキすぎる。明るい空間も違うタイプの椅子が使われていて、またまた北欧デザインの美しさにハッとさせられた。
壁のアートはマリメッコで、壁にはなぜかフランス語が書かれていて、そういうめちゃくちゃさは、あまり好きになれないけどね…。
でもトースト三種の食べ比べとジャムとバターは絶品だったし、デロンギのトースターもものすごく可愛くて大満足。
トースターは写真がないけれど、ベスパを彷彿とさせるようなデザインでかわいかったなぁ。お金が貯まって広いダイニングで暮らせる生活を送れるようになったらいつか買いたいな。
写真では挙げきれないほど、この旅行中はいろんなところに行った。
桜も十分に楽しめるほど咲いていたし、
ともちゃんとも少しだけ一緒に過ごせた。とにかく何よりも、ニコルが東京と京都を思いっきり楽しんでくれたことが良かった!!!!
ミモザの花も思いっきり咲いていて、春の東京の美しさを再認識できた。
それから、ニコルはなんとわたしの誕生日を覚えてくれていて、贈り物を頂いた。
わたしのことをよく知っているね、と思わず言ってしまうほど、どストライクの贈り物!。ジョーマローンのフレグランスにキャスの春の柄のポーチ。
香りも身支度も、春を堂々と迎える準備がこれで完了。
イングリッシュフィールズのポピーの香りは、わたしの中で「春」、「スタート」を実感できる匂いだと思ったので早速明日の卒業式で、その意味を込めてつけていきたいと思う。
ニコルを見送ったあとは、すずちゃんのお誕生日お祝いでおうちで一緒に遊んだ。夜には、タックに電話をした。するとお母さんも、従姉妹も電話に出てくれてこんなわたしとおしゃべりをしてくれて、ものすごく心が温かくなった。
今までいろんな形でいろんな家族を見てきたけど、わたしの身近の人たちの家族はみんな、とっても温かい。
温かい家族に囲まれた人に囲まれているわたしの環境はますます温かい。恵まれ過ぎているほどだ。
明日はそんなわたしを囲ってくれていた環境に心から感謝をすべき日。大学の卒業式だ。
日曜の朝に、成人式の着付けもお願いした美容室のおばあちゃまにご挨拶にいった。今回もまた、この方にお願いする。
わたしの姿や、用意した袴を見て、喜んでくれていた。
卒業を祝ってくれるかのように桜も良く咲いていて、お天気も良くなりそうで、とっても楽しみな1日。
4年間成長させてくれた大切な人たちにしっかりと感謝の気持ちを伝えよう。